貘のたべかす

日記のようなエッセイのような何か

わたしの色

好きな色、は、水色。それはずっと変わらない。何故なら水色はわたしの色だから。小さい頃、姉がピンクで、わたしが水色、そういう風にずっと過ごして来た。それで嫌いになる事も無く、わたしは小さい頃から水色が好きだった。大人になってからは、紫も好きだ。髪を紫系の黒に染めていた事もある。あの頃の髪色がすごく好きだった。美容院は、あの色に染めて貰って以来、ずっと同じところに通っている。

 

他に好きな色があるからなのか、それともわたしの色じゃないと思ってるからなのか、わたしはピンクを避けているきらいがある。勿論部屋の中にピンクが完全に無い訳じゃなくて、文房具とか、スケジュール帳(好きな花であるチューリップの可愛いやつで、一目惚れした)、飾っている香水とかハンカチとか。こまごまと、わたしもピンクを持っている。でも、それらは全て、ピンクだから、じゃない。レースがついてるから、チューリップだから、貰い物だから。そんな風に、自分に言い訳をして、持っている。

 

いつだったかの美容院帰り、わたしは今ならわたしにもピンクが似合うんじゃないかと思って、ピンクのスカートを買って帰った。それを履いて出かける事は、結局しなかった。今は妹が履いている。それがなんだか、かなしくて、どうして似合わないんだろうなんて思ってもいた。

 

いた、のに、また性懲りもなく、ピンクのスカートを欲しがっている。

 

ジルスチュアートの、チュールのロングスカートで、小さなパールがついている。そういう、とても可愛いスカートをネットで見かけて、すっかり虜になってしまった。もういっそ、これに、ピンクのセーターを着てしまいたい、そんな事すら思ってる。ピンクって多分、わたしの中のかわいいの象徴で、でもわたしの色じゃないっていう強めの認識があって、かわいいものが好きなわたしは、ぐちゃぐちゃしながらいつもピンクのスカートを欲しがってる。

 

ピンク、絶対、わたし、好きなんだよなあ。それを最近ようやく認めた。だって、チューリップも、薔薇も、一番好きなのはピンクだ。わたしの色じゃないなんて嘘だと思う。与えられなかっただけだ。そしてわたしはもう子供じゃないので、自分で、自分に、ピンク色を与える事が出来る。あなたのための、ピンクのスカートだよ、ってプレゼントしてあげられるのだ。

 

似合う似合わないも大事だけど、まあでも、わたし、似合うでしょ、ピンク!そう思えているので、近くピンクのスカートをお迎えできたらいいなと思っているのでした。